株式会社モニカ 事業承継 成約インタビュー
株式会社モニカ 代表取締役 呉 愛子
- 創業年月日 2008年6月
- 事業内容
- 保育所・児童福祉施設の事業
- 子育て支援事業のコンサルティング
東京23区内で9施設の認可保育所を運営するまでに成長し、更なる発展のために行ったブランディング。
愛着を持って育ててきた「株式会社モニカ」の株式譲渡に至った経緯と、エムエーウェルフェアとのパートナーシップについて、代表取締役の呉 愛子様に語っていただきました。
目次
創業者の母から引き継いだ、株式会社モニカ
30年近く保育の仕事に携わってきた母が創業し、今年で17年目を迎えました。
創業当時は株式会社が認可保育所を開設するのは難しく、まずは東京都認証保育所からスタート。徐々に実績を積んでいき、2015年に日本橋人形町に第1号となる認可保育所を開設することとなりました。私はその第1号の認可保育所の立ち上げ準備段階からモニカに参画しています。
2016年頃から、待機児童が問題視されはじめ、政府の対策として保育施設を増やしていく流れになり、モニカでも年に2〜3園を新規に開設していき、現在の9施設へと成長しました。
そして、新型コロナウイルスの影響により、待機児童問題が予想より早く解消方向に向かって行きましたので、そこからは新たな施設の開設はなく、これまで以上に保育の質の向上や、選ばれる保育所になるためのブランディングに力を入れ、運営を行いました。
選ばれる保育所となるための 「リブランディング」
保育の質の向上と、選ばれる保育所になるために、2年ほど前にリブランディングに取り組みました。
現場のスタッフたちを巻き込み、時間をかけて話し合い、モニカというブランドの在り方を見つめ直しました。そして出てきたのが「100出会うモニカ」というスローガンです。
大人が当たり前に過ごしている日常でも、子供にとっては初めての出会いに溢れているんです。
例えば、赤と青の絵の具を混ぜた時の驚きや、水たまりに空が映る不思議さなど、そういった子供たちの初めての体験と感動に一緒についていける保育者となるため、モニカとしての想いをスローガンにしてみました。実際にスタッフのみんなと一緒に、10のカテゴリーの100の出会いをつくっています。
自身の悩みと、大きなきっかけが株式譲渡を考える転機に
株式の譲渡に至った経緯は大きく2つあります。1つは、自分で会社を成長させていくことに限界を感じたこと。これまでは待機児童の問題もあり、年に2〜3園の新規開設が出来て、どこか勢いに乗って会社が成長しているという気になっていました。
それが、待機児童の問題が解消に向かいはじめ、保育の質が求められる状況となった時に、発信力であったり、事業戦略であったりといった部分で、「自分でこのまま会社の舵を取っていくことが、モニカにとってベストなのだろうか」と悩み、考えはじめるようになったのです。
現場ひとつひとつを大切にするとか、当たり前のことに関しては時間も気持ちも費やしてきたつもりですが、これだけ保育所が増えた東京都の中で勝ち残っていくことに、自分の力でこの先も経営をしていくのは限界ではないかと日々悩んでいました。
そして、2つ目の大きなきっかけは家族が大きな病気にかかったこと。そのような中でも、なんとか家族と仕事の両立を行ってきたつもりでしたが、どうしても気持ちの半分以上は仕事に取られてしまっている状態が続き、自身としてキャパオーバーになりました。
未来の自分を想像した時、「今のこの状態が果たして最善の選択であったかと思えるだろうか…」と考え、その悩みを家族と相談し、もっと家族との時間を取れるようにするために、最終的に株式の譲渡という決断をしたのです。
「NO」と言われない、要望を親身になって受け止めてくれた
株式の譲渡をしていく事を決め、どこに相談しようかという中、創業者の母が「日本こども育成協議会」という団体で共に理事をしていた旧知の方からの紹介で、エムエーウェルフェアと出会いました。
私自身、友人や知人にも相談をしていたので、他の仲介会社とも話をしてみましたが、私が譲れない部分が多かったことから、どの仲介会社からも仲介は難しいということを言われていました。
そんな中、エムエーウェルフェアだけはNGを出さなかったんです。
例えば、高めの金額で条件を出した時に、「それは無理です」と他の仲介会社には言われたのですが、エムエーウェルフェアは無理と言わず、交渉してくれました。基本的に私からの要望は100%先方に交渉していただいたと思います。
また、やり取りに関しても、保育業界に特化されているので非常にスムーズでした。
保育業界のことをよくご存じで、例えば保育業界としての専門用語などを一から説明する事もなく、普通に話しても理解してくれるため、ストレスフリーでコミュニケーションを取ることが出来たのも、本当に助かりました。
不安な心を安定させることも、仕事の一環
エムエーウェルフェアの担当者にはカウンセラーのように心の中を色々と整理していただき、譲渡に向けて引っ張っていってもらいました。
私にとってモニカは、家族のように大切で愛着のある会社ですし、ずっと一緒にやってきたスタッフのこともあります。「譲渡することは逃げることなんじゃないか」と、ずっと悩んでいました。悩んでいたので発言も2転3転するんです。そういう時も丁寧に対応してくれて、安心感があり、「大丈夫かも」という気持ちにさせてくれました。
私の悩みの部分をきちんと安定させていくのも仕事の一環だと言っていただいたことに加え、すごく丁寧だと感じたことは、私の要望によって通常のやり方から変えていただけたこと。
「情報が業界内で拡散してしまうことが一番怖い」ということをお伝えしたら、1社ずつ紹介していただける、というやり方をしてくれました。通常の仲介会社ですと複数社に一斉に情報を開示して、同時に話をしていって…というのが効率的な方法だと思いますが、私が気にしていた点に関して、非常に気遣っていただき、その要望に応じた通常とは違う方法で支援していただきました。
様々な面で本当に丁寧に対応していただき、最後まで信頼して進められたので感謝しています。
代表者として最大の功績となった株式譲渡
株式譲渡には人それぞれ、状況やタイミングがあるかと思います。
悩みがあればそれはどの段階なのか、自身で乗り越えられるものなのか、またどういう形で譲渡をしたいのか。相談をしてみて気づくこと、変わることもあるので、一度専門家に相談してみるのが良いと思います。そして、自分に合った専門家にお願いすることが非常に重要だと感じました。
エムエーウェルフェアと出会い、たくさん相談して、アドバイスをいただき、最初の不安がどんどん無くなっていき、前向きな気持ちになっていくのを感じました。そして、とても良い企業との出会いがあり、私がモニカの代表として残せた最大の功績は、今回のお相手の方に譲渡ができたことだと思えています。
私の想いを最高の形で実らせることを全力で支えていただけたエムエーウェルフェアとの出会いに、とても感謝しています。
モニカ様、この度はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
- 取材日時 2024年6月
- 取材・制作 中丸 哲哉